Japanische Klassiker mit Furigana
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme
新介の刻苦に見習うて、朝は夙に起き、馬術、弓道の稽古に励み、読書もせねばならぬぞ」
四年間。――新介が質子としてここへ来てからいつか四年となる、――その間の彼の起居や修養ぶりに感じるたびに、順昭は、わが子にひき較べて、藤勝を訓戒せずにいられなかった。
「はい。はい」
藤勝は、ことし十五である。父の前では、非常に畏まるが、駄々で懶惰で底意地がわるい。順昭の歿後、領土をうけて、伊賀に本城を移し、筒井順慶と称したのは、この藤勝であった。
父から叱られるたび、新介の名が手本に出される。藤勝は、その反動で、城内に住むもののうちでは、誰よりも新介が嫌いだった。犬よりも下に新介を見蔑げていた。
この新介は、城内の片隅に、質子構えと称われる小さい一棟を当てがわれて住んでいた。戦国の世の慣いで、強国の城廓には、幾人も他国の質子が養われていた。
「弁之助。また、あの擒人の新介が、経文みたいな書を読んでるよ。石を投げこんでやれ、喧しいから」
藤勝は質子構えの墻を覗いて、供の近習にいいつけた。
「そんなことをなすってはいけません。およしなさい」
「お前が抛らなければわしが抛る」