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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

……そうしてあれは? あの巻軸は?」

ただ肩越しに見たばかりで文字か絵画か何が書いてあったか、見て取ることは出来なかった。

腕のしこりをもみほぐし、落ちている刀をさやに納め、フラフラと立った広太郎、自分の屋敷へ帰ったのは、半時ばかりの後であったが、その夜出会った強敵が、その後も永くつきまとおうとは、神ならぬ身の――ちょっと古風に――実に知る由もなかったのである。

七日ばかりは気持ちが悪い。で広太郎はこもっていた。

「もうよかろう、泳ぎ出すかな」カラリと晴れたよい天気、フラリと広太郎屋敷を出た。さて行く先はきまっている。恋人お京様の屋敷である。

ここに小松原平左衛門といって、やはり五百石のお旗本、同じく無役で、相当裕福、といって袴家には及ばない。屋敷は小石川掃除町、柳町の角に立っている。その長男を舞二郎といい、広太郎とは同年輩、昔からの親友で、その妹がお京様、しばしば遊びに行くうち、広太郎恋してしまったのである。

「舞二郎殿おいでかな」

「おおこれは袴様。ハイハイ皆様お庭の方で、お話し最中でございます」

「ははあ、どなたかご来客で」

「はい、いつもの臼井様が」