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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

一方限りなく愛しながら、一方恐ろしく尊敬している。主人の娘をあずかった家来というような態度がある。が、まずそれはよいとして、副頭領楠右衛門のせがれ、文三という若者が、君尾をつけまわす一事だけは、広太郎に我慢出来なかった。で自然強くあたる。すると文三も強くあたる。お京を金弥と争ったように、ここでは君尾を中心にして、邪心深そうな文三と争わなければならなかった。しかしお京が金弥よりも、広太郎を愛したそれと同じく、君尾は文三を軽蔑し、広太郎に愛の眼を注いだ。まず安心というものである。

「おれはお京様を忘れたのではない。お京様を愛しておればこそ、お京様そっくりのこの娘を、こんなに愛し恋しているのだ」これが広太郎の心持ちであった。

君尾にとっては広太郎は、はじめての恋しい男であった。里の若者のガサツとちがい、なんと広太郎は優秀なんだろう! 山上ではじめてあった時から、君尾は広太郎に魅せられた。だがおおかたの処女なるものが、恋を感じたその場合、物思わしくなるのと違い、君尾はいよいよ快活になった。で、広太郎と三吉猿、恋しい男と可愛い動物、二人をつれて駈け廻った。

一方広太郎は里人の間に、信頼と尊敬とを博していた。