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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「しめた!」と叫んだ広太郎、片膝敷くと掬い斬り、敵の高股へ斬りつけた。「どっこい!」と喚いた城之介、もろに飛び返ると鉄杖の先、伸ばして広太郎の胸を突いた。危うく渡して立ちなおる。と、ツツ――と鉄杖が、手もとへ引かれたものである。なんの不思議ぞ! 引く手に連れ、鉄杖の先に磁気あって、吸いつけられる鉄片さながら、今度は袴広太郎、スルスルスルと前へ出た。うしろさがりに城之介、座敷を抜けて縁へ出た。と、縁から飛びおりる。「おっ」と気がついた広太郎、縁でガッシリ踏みこたえた。そこを狙って城之介、鉄杖の中軸双手握り、逆にひねるとグルリと返し、環頭をもってしたたかに、広太郎の肩へ打ちおろした。

こいつを受けたら刀が折れる、身をかわすと辛く遁がれ、広太郎屋内へ退いた。「チェッ」という舌打ちの音、縁へ飛びあがった城之介、またもや鉄杖を突き出したが、小さく刻む鶺鴒の尾、上下へヒョイヒョイと動かした。と、リズミカルの環の音! カラカラカラ、カラカラカラ! 一種微妙な音楽である。袴広太郎、次第次第に、心が恍惚となってきた。スーと鉄杖が伸び、それが手もとへ引かれた時、不可抗力だ、スルスルスル、広太郎前へ出たものである。