Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
どこから聞こえるともわからない。遠いところから来るのだろう。
「ここはいったいどこなんだろう?」
重い眼をあけて見廻して見た。なんにも見えない、真っ暗である。身体がだるく力がない。そうして全身がズキズキ痛む。手であたりを探ってみた。堅いつめたいデコボコしたものが、身体の下にころがっている。
「ああこれは岩らしい。おれは岩の上にねているらしい」そろそろと両手を伸ばしてみた。何物も指先にさわらない。広い空間が延びているらしい。いよいよ広太郎にはわからなくなった。
「いつこんなところへ来たのだろう? どうもハッキリわからない」完全に記憶がよみがえらないらしい。「起きられるかな? 起きてみよう」まずゴロリと横になった。それから手をついて起きあがろうとした。が、そいつは失敗であった。手がほとんどいうことをきかない。突いたとたんにさすような痛みが、肩の辺からわき起こった。で、ドタリとたおれながら、指先を肩へあててみた。肩が布で巻かれている。それを通してベットリと、つめたい物が指に触れた。「はてな」というと嗅いでみた。間違いはない、血糊である。「肩に傷を受けたらしい」