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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「さよう」といよいよ嘲笑的に、「あらゆる女は呪縛されたがっている」

「だまれ!」と叫ぶと広太郎、勇を振るって立ちあがろうとした。肩が痛い、立ちあがれない。で、ムズとあぐらをかいた。

「袴氏」と城之介、隣室から来る琥珀色の光に、ぼんやり半身をひからせながら、広太郎を上から見下ろしたが、「一切万事浮世のこと、愛欲の目もりをはずしては、物の値打ちをはかることは出来ぬ。が、貴殿はまだお若い。そういうことはわかりますまいな。さようさ人間四十歳にならぬと、その辺の消息ハッキリしません。若輩と老成の相違点、愛欲をぼかして眺めるか、愛欲を正しく眺めるか、係って一点にあろうというものさ。ところで」というと城之介、今度はヘラヘラ笑い出した。「拙者になると少し上手だ。愛欲を利用して金儲けをします。だが」というと城之介、相談でもするような調子になった。「いかがでござろう、袴氏。ここにある女もここにある宝も、みんな貴殿に進呈いたす。その代わり例のイスラエルのお町、拙者にお譲りくだされぬかな?」

ヌッとのぞき込んだものである。

が、広太郎返辞をしない。全身をワナワナふるわせながら、隣りの部屋をながめている。