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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで拙者が説明しましょう」時行いい出したものである。「二本の巻軸、何物かというに、千代田大城の縄張り図面、精細を極めた恐ろしいやつ、あれさえあれば千代田城の奥へ、まず、やすやすと忍び込めます。徳川を計るわれわれには、何より有難い宝物。それをわれらの盟主とたのむ、紀州大納言とあるべきお方が、『巨宝のあり場所記してない以上、役に立たぬ』と一喝し、泉水へ投げ込み失われようとしたは取りも直さずあの巻軸を、われわれの手より奪い取り、徳川幕府の安泰のため、消滅させようと計らわれたもので、こういう意味からいく時は、味方どころか大納言家には、敵でござるよ敵でござるよ!」憎さげにいったものである。

だがやっぱり由井正雪、眉もひらかず物もいわない。心で悩んでいるらしい。と、にわかに豁然といった。

「その問題はそれとして、貴殿天草時行殿を、われらが党中へ加えた一事は、われら本望と致しております」

「いや、こいつこそ偶然で」時行突然ひょうきんになった。「そうはいっても、この拙者、何か仕事がなかった日には、退屈で退屈でたまらぬという、困った性質の持ち主でな。謀反商売などまことに結構、そこで喜んで党中へ、加入いたしたというものでござるよ」