Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
こそばゆく笑ったものである。「さてところでこの俺だが、これからどうしたものだろう?」考え込まざるを得なかった。「江戸へ帰って武士になるか? 山に残って木地師になるか? ……お京様は山からは出られない。永久山中にいなければならない、でもし俺が武士を選び、山を下って行くとすれば、お京様とは別れなければならない。これは俺には苦痛だよ」なお広太郎考えた。「恋人をつかむか武士をとるか? 二道煩悩というやつだなあ」かなり迷わざるを得なかった。「それはそうと君尾様だが、俺を思っているかしら?」君尾のことを考えた。「明るい性質のあの娘、おれを思っているにしても、やがては忘れてくれるだろう。そうだたいして悩みもせず。だからあの娘を見捨てても、それほど不徳にはならないだろう。……さてところでお町だが……」お町のことを考えた。「あの娘の素姓こそ、俺には全然見当がつかない。……命の恩人というところで、たしかに俺もあの娘を、最後には真剣に愛したが、しかし元々二人の恋、変則なものと認めていい。だからあの娘を見捨てても、良心の苛責に悩むこともあるまい……。そこでやっぱりお京様だ」