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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

さてある晩のことである。例によって南蛮屋は繁昌していた。二十人近くの客があって、その中に五人ほどの武士がいた。

店とのれんをさかいにし、狭い料理場が出来ていたが、そこに数人の料理番がいてひそひそこんなことを話していた。

「おい、見や見や今夜もいるぜ。薄気味の悪いリャンコめが。あのあから顔の四十年輩、あの侍を知ってるかい」

「知らなくってよ。お茶の水だあ」

「せいの高い侍は?」

「あれは本郷三好坂だよ」

「本郷六丁目も来ているぜ」

「ふふん、浅草七軒町もいらあ」

「おっと、最上の浪人もいらあ」

「全くもってご精が出るな、とっ代え引っ代え飽きもせずに、やって来るのはいいとしても、時々ひどく乱暴するので、たいして有難い客ではないよ」

「有難くないばかりかい、迷惑至極というものだ。あいつらが来るのでいやがって、足を遠のかせるお客様もあらあ」

「だがあいつら、自分たちの素姓が、わからないと思っているのだろうか。もしそうならトンチキだな」

「江戸じゃあ一流の人物だ、まさかそうとは思っていまい。顔の知れている奴らだからな」

「親方にちょっと知らせておこう」

ひとり奥の方へはいって行った。