Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
朝井刑事はその顔を見て、愈よ今日は「特等訊問法」が行われるのだと推察した。死体再解剖の結果どんなことが明かにされたか、又それによって二人の口を果して開くことが出来るであろうか。
霧原警部は、いつも飲用して居るフランス葡萄酒を取り寄せた。特等訊問法が行われるときには必ずこの葡萄酒が出る。警視庁内では、特等訊問の一言はこの葡萄酒が言わせるのだとさえ噂されて居るのである。
午後四時、命によって先ず鬼頭が呼び寄せられた。朝井刑事は二人の男が同一事件に訊問されるとき、後に訊問される方に特等訊問法が行われることを知って居たので、鬼頭の呼び寄せられたのを聊か不審に思ったのである。というのは、霧原警部は鬼頭即ち園田を犯人と睨んで居るらしいからである。然し警部の真意はわからない。刑事はしずかに秘密の暴露される時機を待つことに決定した。やがて園田即ち鬼頭は着席した。
「ゆっくりしたまえ」と警部はやさしい態度で言った。「君は殺された女をどこまでも知らぬというのか?」
「存じません」
「然し、女が君の家に同居して居たという証拠が出たよ」
「どういう証拠か知りませんが、女は存じません」