Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
「殺された女が君たちと同居して居たことははっきりわかったよ。それでも君はこの事件に関係がないというのか?」
「でも、少しも存じません」
「君の兄弟分の鬼頭君が園田という前科者だということを君は知って居るだろうね?」
「…………」
「何故、答えないのだ」
平岡は唇を噛んで居たが、暫くして、
「知って居ます」と答えた。
「君はツノダという名を知って居るか?」
「え?」といってあげた平岡の顔は見る見るうちに蒼ざめた。
「ツノダというのだ」
「存じません」
「まさか君の本名じゃなかろうな?」
「ちがいます」
「殺された女の名でもなかろうな?」
「ちがいます」
「君、ちがいますなどと答えてはいかん、知りませんといわなければ」
平岡はますます蒼ざめた。
「君はどこまでも知らぬ存ぜぬで通そうとするのか?」
「存じません……知りません」
「まあ、そうあわてなくてもよい。心を落ちつけたまえ。今に君にきかせる言葉があるから」
平岡の呼吸は愈よはげしくなって来た。彼は警部がどんなことを言い出すかと、警部の口許をさぐるように見あげたが、その両手は全身と共にぶるぶる顫えた。
「君、よくききたまえ。いいか」
まるで猫に睨まれた鼠のように平岡は身をすくめた。