Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
けれど、時機が来れば、見せるつもりだ」
三十分ばかり過ぎると、鑑識課の人がはいって来て、クロロフォルムの罎の指紋は、谷村の左手の指紋と一致する旨を告げた。
霧原警部と朝井刑事とは、この意外な報告に、暫く無言で顔を見合せた。興奮した朝井刑事が先きに沈黙を破った。
「それでは、谷村も昨晩、大原の……」
「そうだ、これで第三者の存在がわかった。けれど、それがため事件は愈よ面倒になった」
「然し」と朝井刑事は反対した。「谷村が居たとすると却って簡単に説明がつくじゃありませんか。谷村が夫人の手巾をつかって、大原に麻酔させ、中島がその咽喉笛に……」
プッと霧原警部は軽く噴き出した。
「いや、笑っては失礼だが、口ではそう言ってみられるものの、実際にそうした事が行われるだろうか。もし、君の言うとおりだとすると、谷村と中島とは共犯者ということになるが、二人の間には何の関係もないよ。せい子は今日警視庁で逢わぬ限り、恐らく谷村の顔も知るまい。それ故僕はあの手巾は、やはり大原が持って居るのだと思うよ。いやいやこの事件はそれほど簡単ではない」こういって警部は暫くじっと考え、「それにしても犯罪の動機がわからぬ」