Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
恐らく糖尿病と同時に変態性慾も起ったのだろう。谷村夫人は髪が乱れて居たので、身を汚されたと思ったのだが、大原の手では一旦解いた髪をもとのとおりに結ぶことはむずかしいからね。手箱の髢は恐らく谷村夫人のだろう。手巾もそのときに取ったのだろう。女に麻酔をかけれゃ、女の方では暴行されたと思うぐらい大原にもわかって居ただろうから、むしろいきなりとびついて髪の毛をはさみ切った方が却ってよさそうだが、其処が変態性慾者の心のはかりがたいところだろう」
「谷村にも大原の性交不能のことを話して安心させたらどうでしょう」
「確証がある訳でないから止めて置こう。夫人はもはや死んで居らぬし、谷村の復讐を遂げたという安心を今更攪きみだしたくないからね。せい子さんに確証だと言ったのは、せい子さんにとって確証であってほしいだろうと思ったからさ。僕はせい子さんが、ただ汚されたということだけを恥じて物を言わぬのだろうと察したが、大原がせい子さんの父だとは夢にも思わなかった」
「仏壇参詣は無論歯骨を捜しに行かれたのですね?」
「そうよ、第四者と言ったのはそれだ。女の咬んだ傷だという以上、谷村夫人の歯を考えるのが至当じゃないか。