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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

、郷里の人々は、いまだに戦慄なしで話すことの出来ぬくらい深い印象を与えられた。

話は村の素封家の一人息子と、貧乏な綿打屋の小町娘との恋物語に始まる。男は木村良雄といって、当時東京の某私立大学に在学中、女は荒川あさ子といって、当時二十歳の鄙には稀に見る美人であった。良雄とあさ子とは所謂幼な馴染であって、二人の家は、鎮守の社の森を隔てて居るだけであったから、二人はよく、神社の境内で砂をいじって遊んだものである。

然し、生長すると共に二人は当然はなればなれになった。良雄は名古屋の中学校に通うようになり、あさ子は一人ぎりの父のかぼそい商売を手伝って、まめまめしく働いて家にとどまった。たまたま良雄が休暇に帰省しても二人はただ、時候の挨拶を取りかわすぐらいのものであった。

ところが良雄が中学を卒業して東京に遊学するようになってから、良雄のあさ子に対する態度は今迄のように無頓着なものではなくなった。ことに良雄は東京で悪友に誘われて遊里に出入りすることを覚えたのであるから、それでなくてさえ、いわゆる青春の血に燃え易い時期のこととて、初心なあさ子の美しい姿が、どんなに彼の心を動かしたかは想像するに難くなかった。