Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
さすれば各種の病気を一々研究して、文献を多くする必要は更にありません。人工心臓の発明をさえ完成したならば、如何なる病気も恐るるに足りません。私はパストールやコッホやエールリッヒなどの業績を思うごとに、彼等が人類に与えた恩恵に感謝すると同時に、これ等の大天才たちは、何故、人工心臓の発明に力を注いでくれなかったかと痛嘆するのでありました。昔から医学史上に大きな足跡をつけた人は可なりに沢山ありますが、若しそれ等の人々が、唯一人工心臓の発明に向って精進して居たならば、恐らくすでに理想的なものが出来上り、とっくの昔に理想郷が作られて居たにちがいありません。人類文化発達史上から見た人間の最大欠点は、物ごとを濫りに複雑にしたことでした。恰も自分で建築した迷路の中を、苦しみさまようことに興味を持って居るかのように見えるのが人間の常であります。物ごとが複雑になれば自然、枝葉の問題のみに心を奪われて、根本を忘れ勝ちになります。だから、ルッソーの如きは、「自然に還れ」と叫びました。自然に還れということは、自然の状態に引き返せということではなくて、枝葉を捨てて根本に還れという意味だと私は思いました。