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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

妻も私もそれこそ文字通りに寝食を忘れて働いたことが度々です。ことに機械が出来上っても、それを家兎の大静脈と大動脈とに結びつけるのが難中の至難事でした。始めは鋼鉄管と血管とを直接カットグートと称する糸で結びつけましたが、鋼鉄では融通がききませんから、後には一定の硬さを有するゴム管をその中間に挟むことに致しました。然しそれでも、度々、圧力が平等に調節されないで、つなぎ目が口を開き、あっという間に出血して家兎を死なせました。

ことに手術上不快な現象と見るべきものは、血液の凝固することです。御承知のとおり血液は、血管の外に出ると直ちに凝固しますが、この凝血の一片でも血中に送りこまれると、小さな血管の栓塞を起して組織を壊疽に陥れますから、どうしても血液の凝固を妨げる工夫をするより外に道はありません。そこで私は、かの蛙の口部から取ったヒルジンと称する物質を使用して凝固を防ぎ、手術を行うことにしました。然し手術は無事に済んでも、後の大血管とゴム管との接触部の内側に凝血が起り易く、やはり度々失敗を重ねましたが、活栓を速く動かすことにすれば、凝固は起らぬことを経験して、人工肺臓の工夫が成ると共に、この難関を切り抜けることが出来たのであります。