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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

静也はいう迄もなく、この第二の種類に属する頽廃人であった。かれはバアやカフェーの女と話すときにすら、一種の羞恥を感じた。だから彼は今まで一度も恋というものを経験しなかった。彼にとっては、恋することは一種の冒険であった。心の中では冒険してみたくてならなかったけれども、彼の臆病心が邪魔をした。それに彼の痩せた身体が、冒険には適して居らなかった。

ところが、運命は彼に恋する機会を与えたのである。即ち、彼は生れて初めての恋を経験するに至ったのである。然し皮肉なことは、彼の恋した女は、彼の友人の妻君であった。それは皮肉であると同時に、彼にとって不幸なことであった。彼にとって不幸であるばかりでなく、その友人にとっても不幸なことであった。実に、彼の友人は、それがため、何の罪もなくて彼のために殺さるべき運命に導かれたといってもよいからである。古来、妻が美しかったために、不慮の死を招いた良人は少くなかったが、静也の友人佐々木京助のように、何にも知らずに死んで行ったのは珍らしい例であるといわねばならない。

佐々木京助の妻敏子は所謂新らしい女即ち新時代の女性であった。