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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

それは或は憤怒の思い出であるかも知れない。

彼女はだまってうなずいた。

「その時、あなたは救いを求めるための悲鳴をお上げになったでしょう」

女はうなずいた。

「すると、それと同時に、大平さんは、背後から、何ものかのために短刀で刺されて、血まみれになってたおれなさったのでしょう。で、あなたは、その思いがけない惨状にびっくりして、家の中から走り出されたのでしょう」

女は軽く頭を横にふった。

「では、あなたは、大平さんを刺した人を御覧になって、それで、驚いて逃げて来なさったのですか」

「ちがいます」と、彼女は、漸く口を開いた。「私はあの人に襲われて、驚きのあまり一声叫んで、そのまま気を失いました。暫くの後気がついたときには、あの人は血まみれになって私のそばに倒れて居りました。そこで怖ろしさのあまり、夢中に飛び出したので御座います」

康雄は、ほッとした。目的を達した安心と、彼女が無罪であることを知った安心とは、彼の胸の中から重荷を取り除いた。

「そうでしたか、よく仰しゃって下さいました。もう、それだけ伺えば沢山ですが、然し、あなたには、あなたのことを御心配になって居る御両親や、御姉弟は御ありでしょう。