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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

見るとそれは、康雄の両親の健在した頃、本重町の本宅へ二三年雇ったことのある、豊という女なのである。

「おや、お豊さんか、久し振りだなあ、お前、今このお隣りに住んで居るのか」

「いいえ、私は患者さんの附添婦に雇われて居るので御座います。あなた様はまたどうして、こんなところへ御出でになりました?」

「実は少し理由があってね、お前ももうとくに知って居るだろうが、このうちの主人が殺されて犯人がまだわからぬのだよ。それを私は物数寄半分に検べに来て居るんだ」

「まあ、そうで御座いますか。それで、何か手がかりは御座いましたか」

「いやまだ。何か手がかりは見つからぬだろうかと、こうして庭の上をさがしまわって居るんだ」

すると、何思ったか、お豊は小声になり、

「若旦那様ちょっと!」

と言って康雄を手まねきした。

意味ありげな様子に、康雄は好奇心に駆られて、槙の木の間を通りぬけ、隣りの屋敷にはいった。

お豊は、無言のまま先に立って、やがて、とある物陰に康雄をつれて行った。

「何だい?」と、康雄は辛抱し切れなくなってたずねた。

するとお豊は、用心深くあたりを見まわし、

「実は若旦那様、私は昨夜、お隣りの御主人を殺した人を見ました」