Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
あまりのことに私はわれを忘れて老婦人をはげしくつきのけました。
数秒の後、気がついて見ると、私の前に、老婦人いや、老婦人の死体が、干瓢のように見苦しく横たわって居りました。
こう語って村尾氏は一息つき、ハンカチを取り出して頸筋を拭いてから、更に続けました。
「まったく、思いもよらぬ経験をしましたよ。何のために、老婦人が私にとびかかって来たのか、もとよりわかりませんが、あの恐ろしさは一生涯忘れることが出来ません。老婦人は月経がはじまったといいますけれど、或はほかの病気だったかも知れません。何しろ、百五十歳というのですから。けれども、世の中には、とても想像のつかぬ事実があることを、私たちは否定してならぬと思います。然し、いずれにしても、精神の緊張がゆるむと人間は一たまりもなく崩れるものだということが、これによってはっきりとわかりました。そうして、もし私の言葉が、老婦人の精神の緊張をゆるめたとすれば私が間接にあのお婆さんを殺したことになるかも知れません……」