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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

村人の布施で成立って居る寺のことですから、自然私も遠慮しなければならぬことになったのです。然し、お蝶さんの家には「白」と名ける大きな犬が飼われて居まして、この犬が非常に賢く、二人のよい友達になって居たのであります。

ところが、お蝶さんの熱心な看護の甲斐もなく、お父さんは、今から四年ほど前に、とうとうなくなりました。お蝶さんの悲歎は想像以上で、その時から、多少精神に異常を来したらしかったのです。けれども、その発狂の程度は極めて軽いもので、私がたずねましても別に変ったところは見えませんでした。が、何しろ村人は相変らず寄りつきませんので、発狂するのは無理もないことです。私はお蝶さんが、お父さんの死後、どこか他国へでも行った方がよかろうとそれともなく勧めて見ましたが、お蝶さんは、頑固に此土地に居たいと主張するのでした。この辺が、発狂した証拠かとも思われました。兎に角お蝶さんは白を相手に、寂しい日を送って居りました。

それだけならばまだよかったのですが、ここに突然お蝶さんの身に一大災難が降りかかって来ました。それはどんなことかと申しますと、ちょうど、お父さんがなくなって二月経つか経たぬうちに、この村の鬼門に当る山に、どこからともなく、五人の悪漢が引き移って来たのでした。