Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
僕は僕の行為――君を毒殺しようとしたことを、どれだけ後悔しているか知れない。それがため僕はどれほど苦しんだか知れない。君は殺そうとしたものが、殺されようとしたものの何十倍も何百倍も苦しまねばならぬということを知って居るかね? 僕はたしかに、君よりもはげしい苦しみをしたと思って居る。僕は、もちろん、君を毒殺し得たと思って、すぐ自殺を計ったのだが、それが、どういう因果か未遂に終って、こうして病院へ連られて来て、今では自殺する能力をさえ奪われてしまったのだ。僕は君が生きていようとは思わなかったので、警察の人の来ぬのを不審に思いながら、何かよい自殺方法はないものかと、実は今晩も君の来る前に、頻に考えて居たんだよ。だから、君の顔を見たとき、驚くよりもむしろ嬉しい思いがした」
立って居る男の顔には侮蔑と不審の色が浮かんだ。病人はそれを察して続けた。
「君は定めし、僕が強がりをいって居ると思うだろう。又、僕が自殺したくても自殺の出来ぬ状態にあるということを不審に思うだろう。然し、僕がどういう理由で、この病院へはいって居るかということを知って居たなら、僕のいうことに不審は起きない筈だ。