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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、何とかして自殺の意思を遂げさせてくれと願っても、医員は残酷にもこの役に立たぬ生命をどこまでも長らえさせようとして居るのだ。それかといって、僕は、自分ではどうしても死なれないのだ。両手がないから短刀を持つことが出来ぬし、又毒を嚥むことも出来ない。両脚がないから、窓から飛び降りることも出来ない。顎が半分欠けて、前歯がなくなったから、舌を噛み切ることも出来ない。こういうあわれな状態だから、医員は、皮肉にも毒薬を調合して、僕の枕の下へ入れてくれたよ。せめて、毒が傍にあったら自殺慾が満足するだろうといってね。君一寸手を貸して、枕の下から瓶を出してくれ。有難う。見給え、偶然にも君の瓶と同じものだ。又偶然にも同じ大きさの白い丸薬が二つはいって居る。けれども、それはストリヒニンではなくそれよりも遥かに強いアコニチンという猛毒がはいって居るそうだ。けれども、君、枕の下にあるその毒薬さえ、僕は何ともすることが出来ないのだ。君、両脚と両腕と片頬のない生活を想像して見たことがあるかね。それでも君は生甲斐があると思うか。ないよ。だから僕は、君が殺しに来てくれたことを恐ろしいと思うよりもむしろ嬉しく思うのだ。