Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
を発しても、もはや用をなさぬのである。だから霧原警部は、訊問の当初に於ては、なるべく訊問に深入りしないようにあっさり切りあげることにして居た。そしてこういうやり方によって、警部は今までその「特等訊問法」に成功して来たのである。
今度の事件において、霧原警部は非常な難問題に出会した。第一に、被害者が死に際に書いた、「ツノダ」の三字は何を意味するであろうか。平岡は取調べの結果前科者でないから、その本名が、「角田」であるかどうかを知る事が出来ない。戸籍といっても本所の役場は震災で焼けてしまったから調べることは出来かねる。また、鬼頭の本名が園田だとわかったけれども、被害者がたとい死に際とはいえ、間違えて書いたとは断言出来ない。なお又、ツノダは女自身の姓かも知れず、或いはツノダは全く人名ではないかもしれない。それは兎に角、被害者は文字を書く位の力があるのになぜ殺した犯人の名を口で告げなかったか。現に、殺されるとき、「人殺しーい」と叫んだではないか。
第二に平岡が、なぜ人血を袖につけて居るか? 先刻、訊問の際注意して見ると平岡は男に似合わず乳房が大きい。男が女のような乳房をして居ることを術語では「ギネコマスチー」