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Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

与右衛門は思わず、

「――見えたっ。先が見えたっ」

と、雀躍りしてさけんだ。

予定の五年目の春頃には、その大溜池が、何ヵ所となく竣工した。そこの竣工はまた、堤防工事、護岸工事、すべての仕事のほうに基調を与えて、彼はふたたび藩侯へ、延期の願いを出す必要がなくなった。

支流的な川すじの工事はほぼ終ったので、彼はこの夏、最後の仕上げ仕事としている岩木川の上流の主脈に、全力をかけていた。毎日の人税徴発は、百十余ヵ村から二千名近くの人員が狩り出されていた。

この平野を吹く風が汗くさく思えるほど、泥と汗にまみれた百姓が、上流の渓流を、平地へ出さずに、それを大溜池へ導いて、徐ろに新川堤からほかの川へ放出する工事に向っていた。

「もうひと息だぞ! この秋までだ!」

寒竹の鞭は、撲る者を見つけてあるいた。

その鞭で、皮膚をやぶられた百姓は、何十人か何百人かわからないほど今日までにはあったのである。

あまり与右衛門が焦心って督励し過ぎたため、渓流の護岸工事で仕事をしていた者が、そこの崖崩れに合って、十何人かいちどに生埋めになって死んだ。

それを炎天の下で聞いた時も与右衛門は一言、