Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme
「あれには、ようして賜もるに、なぜ其方は賞めておやりなさらぬ。よしないことを」
「はははは。母君その辺、お案じはいりませぬな。女房には蔭でいうもの。のう、秀長」
「ははは。そうかも知れませぬ」
「美味い。こうして戴く、湯漬の味はかくべつ。……ここへ戻れば、母君とも二夜三夜は、甘えていとうなるが、楽しみは後のこと。またしばらくはおさびしくも、御機嫌よう留守をたのみまする」
「すぐにまた、御出陣か」
「されば、明け方にも」
「やれのう、御苦労なことではある。わしはよいが、彼妻は名残も惜しかろうに、なぜここへ政所殿は呼んであげなさらぬ」
「会いたい妻は、足軽どもも持っておりまするで、ここは我慢のしどころかと。――あははは、彼女にも、悪う思うなと、母君からよう申しおいて下され」
笑っているそのお口で、先刻、猿殿は御留守居衆の小出播磨守どのや、三好武蔵守どのを集めて、こう正直に告げておられた。
(敵は強兵じゃ。逆賊とはいえ、光秀もわしを邀えたら、その一戦が彼のわかれ目じゃ。光秀の智謀才識、到底秀吉の遠く及ぶところでない。わしはただ順逆を学び、天道を奉じ、亡君の弔合戦ぞという捨身があるばかり。