Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

クラウデは日本の習慣を知っている。日本の習慣のなかで女がどう扱われているかということを知りぬいている外国人であるだけ、伸子はいやな気がして、

「早く来すぎたでしょうか」

ドアのところへ立ったまま少し意地わるに云った。

「たいへんおいそがしそうですけれど……」

「ああ、失礼いたしました。書きものをしていまして……」

クラウデは、腕時計を見た。

「お約束の時間です――どうぞ」

伸子を、窓よりの椅子に案内して自分は、二つのベッドが並んでおかれている奥の方へゆき、そっちで、カラーをちゃんとし上衣を着て、戻って来た。

「よくおいで下さいました。いまじき、もう一人のお客様も見えるでしょう」

クラウデの住んでいるその室というのは奇妙な室だった。大きくて、薄暗くて、二つのベッドがおいてあるところと、伸子がかけている窓よりの場所との間に、何となし日本の敷居や鴨居でもあるように、区分のついた感じがあった。窓の下に暮れかかった雪の街路が見え、アーク燈の蒼白い光がうつっている。窓から見える外景が一層この室の内部の薄暗さや、雑然とした感じをつよめた。黙ってそこに腰かけ、窓のそとを眺めている伸子に、クラウデは、