Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「わたしは、ここにブハーリンさんのお父さんと住んでいます」

と云った。

「ブハーリンさん、御存じでしょう? あのひとのお父さんがこの室にいます」

伸子はあきらかに好奇心を刺戟された。伸子がよんだたった一つの唯物史観の本はブハーリンが書いたものであったから。

「ブハーリンの本は、日本語に翻訳されています」

伸子は、ちょっと笑って云った。

「お父さんのブハーリンも、やっぱり円い頭と円い眼をしていらっしゃいますか?」

単純な伸子の質問を、クラウデは、何と思ったのかひどく真面目に、

「ブハーリンさんのお父さんは立派な人ですよ」

と、なにかを訂正するように云った。

「わたしたちは、一緒に愉快に働いています」

しかし、伸子はちっとも知らないのだった、三重顎のクラウデが、現在モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)でどういう仕事に働いているのか。――

クラウデは、ちょいちょい手くびをあげて時計を見た。

「サッサさん、もうじき、もう一人のお客様もおいでになります。わたくし、用事があって外出します。お二人で、ごゆっくり話して下さい。……それでよろしいでしょう?」

クラウデにとってそれでよいのならば、伸子は格別彼にいてもらわなくては困るわけもなかった。