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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

までひろがって行く。

リラの茂みのわきに立って、タバコをつけ、輝く河面、動いてゆく色とりどりの人波、空と地上に鳴っている音響のあらゆる高低に耳をすますようにしていた素子はやがて、

「おととしと、ちがうなあ」

その感想をおさえられないようにつぶやいた。

「あなたも、そう思う?」

伸子は、うれしい! という云いかたをした。

「どこが、ちがうと思う?」

伸子は、けさホテルを出て、トゥウェルスカヤの大通りを埋めている行進の列をひとめ見わたしたとたん、おととしとちがうことしのメーデーを直感した。何と大小の旗の数がふえているだろう。そしてその旗の布地も図案も旗竿も、おととしとはうって変って確りした品だった。それに、ブラスバンドが殖えている。行進のはじまりをまつ間ガルモーシュカを弾いて、そのまわりで歌ったり、踊ったりしている組も吉例どおりあるにはあるが、いかにもメーデー目ざして揃えたらしいテラテラ光る楽器を肩にかけた工場の音楽隊が、うれしそうな、ほこらしそうなきまじめさで、先頭に立っている。それらの変化に目をひかれると同時に、伸子は、行進する人々の身なりは、たいしておととしとちがっていないことに気づいた。