Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
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「ね、どこがおととしと、ちがうと思う!」
「いろんなことがちがうさ。――」
素子は、左手で肱を支えるようにしてタバコをもっている手はそのまま、顎を出すようにした。
「こうやって歩いている連中の様子からしておととしとまるっきりちがう」
「どうちがう?」
伸子にも素子が目をとめたところはわかるようだった。けれども伸子は素子からききたかった。
「この連中の体も気分も、ちっともくずれてない。おととしみたいに、行進がすんだら、それだけで、足もとまでずるつかして遠足がえりになっちゃう、あれがない。たいしたちがいだ。しゃんしゃんしているじゃないか」
リラのわきに立ちどまって見ている伸子たちの前後を、通ってゆく、というよりも公園いっぱいに流れて来ては流れてゆく男女は、大小の群れになって、笑ったり喋ったり、いまはもう巻かれている重い旗を肩から肩へかつぎかえたりしながらも、ほんとに素子がいうとおり、これで年に一度の行事がすんだという、ゆるんだ表情はどの顔の上にも見出せなかった。人々の気分の密度が変っていない。
「はりあいがあるんだわ。どのひとも、自分の背骨はちゃんと立っているっていう気分なんだわ」