Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子の眼をひいたのは、その雨上りの並木道を来るひけどきの通行人のなかで、その人ひとりがすきとおるコバルト色のきれいな絹防水の雨外套を着ていたからだった。それは、日本で若い女たちが着ているものだったが、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)でそんなレイン・コートを見たのは、初めてだった。コバルト色のレイン・コートとともに、特徴のあるその瞳の表情も、伸子の印象にのこされた。
伸子は、思い出して、テルノフスカヤにその話をした。
「そうですか? わたしは思い出せませんよ」
それきりで、テルノフスカヤはコバルト色のレイン・コートを自分がもっているともいないとも云わなかった。二人の娘たちは、自分たちに話しかけようともしないテルノフスカヤの出現に、やっと思いあきらめて腰をあげた。すると、テルノフスカヤが、
「あなたがた、吉之助さんの部屋へよって帰るんでしょう」
見とおした命令的な口調で云った。
「荷作りがすんだら、こちらへ来るように云って下さい」
思ったより早く吉之助が、どことなし腑におちない表情で伸子たちの室へ入って来た。テルノフスカヤを見ると、顔みしりではあると見えて、