Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
片手の甲でテーブルへのっかって来ている白と黒とのぶち猫の顔をよこへむけながら、伸子がいう。
「その猫、どうしてこう青いものがすきなんだろう」
「さあ。彼女にはリンゴがないからでしょう」
新しい野菜のない冬の間じゅう、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の人たちは、ほんとにリンゴやミカンをよくたべる。伸子も毎日ミカンをかかさなかった。
伸子は、いきなり話題をとばして、
「ナターシャ、ラブ・ファク(労働者科)はもうあと何年ですむの?」
ときいた。
「今二年めです。だから、あともう一年です」
「女の学生、何人ぐらい居て?」
「少ないんです。――たった九人」
ナターシャは看護婦というよりも大学生らしい眼くばりになって云った。
「わたしたちのところでは、一般に云ってまだ婦人がおくれているんです。生産面に働いている勤労婦人の間でも、高い技術水準をもっている女はすくないんです。それにラブ・ファクは昼間働いてからですからね。学課だってかなり骨が折れるし、女はやり通せない場合もあるんです。家庭をもったり、赤坊がいたりすると」
「あなたはどうなの? 自信がある? その体で昼間働いて、夜勉強する、つらいことがあるでしょう?」