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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

また、二つばかり先の病室にいると云って、伸子のところへ美しく刺繍した婦人用下着をみせに来た女のひとがあった。病院ぐらしのいまは手入れもおこたられているが、いつもは理髪店で鏝をあてられているらしい髪つきで、瘠せてすらりとした体に、だぶつきかげんの紺のワンピースを着ていた。上へ、変り編の青っぽいスウェターを羽織って。

三十と四十との間らしい年ごろのそのひとは伸子にこまかい花飾を刺繍した麻の下着類を見せた。水色、紺、白、桃色のとりあわせで忘れな草が刺繍されているシミーズ。裾まわりに黄色とクリーム色、レモン色の濃淡であっさりとウクライナ風の模様が縫いとりされているパンテイ。どれもいい配色だし、手ぎわがよかった。伸子は、枕に背をもたせて起きあがっているベッドの上に、それらをひろげて眺めた。

「モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にも、こういうものがあるんですね。どこでも見たことがなかった」

伸子が見る範囲のモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)では、衣料品は貧弱で、麻のブラウスさえ見かけたことがなかった。

「商品じゃないんですよ。個人のためにこんな仕事をするひとがあるんです。