Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「あなた、これ、いったいどういうことなんだと思う?」
伸子は、ゆったりおさまっていたベッドの下が急に焙られて熱くなりだしたような眼で素子に相談しかけた。
「うちじゅうで来るなんて」
「わからないね」
赤くすきとおったパイプをかみながら素子は、
「こっちへ来る気なんじゃないかな」
病院へ来る道々でもさんざん考えたあげく発見している結論のように、おとなしい客観的な調子で言った。
「保君がああいうことだったし、君の病気というんで、おっかさんが矢も楯もたまらなくなっているんじゃないのかな」
伸子は、おびえた眼色になってこの間うけとった母の手紙の文句を思いあわせた。「母は可能なすべての方法をとる決心をしました。」まずその第一のあらわれとして、多計代にたのまれて訪ねて来たというのが軍人の藤原威夫だった。その訪問は伸子に苦しいだけだった。こんどはうちじゅうでやって来て。――そのようにうちじゅうでやって来るということに対して、伸子はどうするのが当然だと思われているのだろう。ああ、と伸子は両手で顔をおおいたいようだった。
「かえりをこっちからシベリアまわりにして、もし君がなおってないなら、そのとき一緒につれて帰ろうという心もちじゃないのかい?」