Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんと? そりゃ、だめよ! そんなの絶対にだめだから※(感嘆符二つ、1-8-75)」

伸子はベッドにしがみつくような泣き顔になった。

「もっとも、七月にマルセーユ着っていうんだから、まだかなり間があるがね。まだ三月になったばかりなんだから五ヵ月もすりゃ、ぶこちゃんだって、まさかよくなってるだろうさ」

とりみだしたというに近いほど困惑している伸子を眺めて、

「ぶこちゃんにも、人の知らない苦労があるさね」

と、素子が、伸子のはげしい困惑の半ばは自分も負っているものの思いやりがある口調で言った。

「なにしろ、君の一家はかわってる。奇想天外を実際やりだすんだから恐縮しちまう。そこへ行くと、うちの親父なんか、全くのメシチャニン(町人)だからね。かえって始末がいいようなもんだ。せいぜい年に二度の別府行きぐらいしか考えもしない」

伸子は少しずつ最初の衝撃から分別をとりもどした。うちで、こまかい計画を立てきってしまわないうちに、それに応じた手配があちらこちらへされてしまわないうちに、伸子たちは伸子たちとして自主的なプランをはっきり知らしてやることが先決問題だと考えついた。