Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

目をさました頃にはまだ降っていた雨がやっとあがって、歩道はうすらつめたく濡れていた。街路樹の春の芽もまだかたい枝々から大粒な雨のしずくが音をたてて落ちて、歩道をゆく伸子の肩にかかった。幾たびか通行人にきいていま伸子たちが来かかっているその通りは、市公園のどこか一方の外廓に沿っている道らしかった。低い鉄柵とその奥に灌木のしげみが見えている。規則正しく一定の間隔をおいて植えこまれている街路樹と鉄柵との間にはさまれている歩道は、ひやびやと濡れていて淋しいばかりでなく、人通りがごくたまにあるきりだった。その通行人も雨外套の襟を立てポケットへ両手をつっこんだ肩をすぼめるような姿で足早に過ぎてゆく。

伸子と素子とは、互にこれでいいのかしらん、と云いながら半信半疑で歩いて行った。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のようなメーデーの朝の気配があるはずはないにしても、こんなに寒そうで濡れて人気なく淋しい通りが、どこかで自分たちをともかくワルシャワでのメーデーの行進に出会わせるとは、思えないようだった。

「こんな調子じゃ、行進なんかないのかもしれない」

「そうかしら――そんなことってあるかしら。