Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
ここだって労働者がいるはずだのに……」
二人が先へ先へと視線を放って歩いてゆくと、歩道の右手沿いにずっとつづいた公園の低い鉄柵がぽつんと終った。その先に茶色っぽい高い建物が現れた。伸子たちの背たけより高い石の外羽目が切れたところが、城門のようなアーケードになっていた。重々しいそのアーケードの奥がちょっとした広場めいた場所だった。人がつまって乗っているトラックが数台とまっている。伸子たちは怪しんでそっちを見た。
「変だな。――こんなところが劇場広場だなんてことないだろう」
いぶかりながらそれでも二人は建物にとりかこまれて陰気なその広場めいたところへ歩みこんだ。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の赤い広場にくらべると、十分の一あるかなしのその石じきの場所の、三方を高く囲む石造建築の裾にぴったり車体をよせて、トラックが十数台とまっている。どのトラックの上にも、いちようにカーキ色のレイン・コートのような外套を着て同じ色の雨帽子めいたものをかぶった男女が、長い棒をついて立っていた。一台ごとにきまっただけの人数が積まれているらしかった。トラックの上に棒をついて立っている男女の方陣の間からは、そんな情景につきものの談笑も湧いていなければ、タバコをふかしている者さえまれだった。