Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
赤旗とプラカートがわきおこる音楽の上に林立していたモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のメーデーの街々が思いくらべられた。伸子の眼に涙がにじんだ。ワルシャワのメーデーに赤旗をたてて行進して来た人々に、伸子は、つたえようのない同感と可哀そうさを感じた。
もと来た道へひっかえす気分を失った伸子と素子とは、自分たちの激しくされた感情におし出されるような歩調で、空虚のみちている街すじを歩いて市公園の表通りへまわった。
往きに通って来た鉄柵沿いの紙くずなどの散った寂しい歩道とは正反対に、こちら側はいかにも近代都市公園をめぐってつくられている清楚な大通りだった。おこたらず手入されて、ゆるやかな起伏に風情のある芝生が、幅ひろく清潔な歩道のきわまでひろがっている。滑らかな車道を、立派な自動車が駛っていて、行手に遠く大理石のオベリスクのような記念塔が聳えていた。正午ちかい陽が真上からその富裕らしい大通りを照した。ガソリンの軽い匂いがあたりに漂い、遠目に記念塔の大理石が白くきらめいている。
暫く行って、みて、伸子はその公園通りが、そこの歩道を歩く人のためというよりも、自家用自動車の駛りすぎる窓から眺める風物として満足感を与えるように端から端まで手ぎれいにされているということを理解した。