Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
川瀬たちは、伸子と素子という二人一組の女にとって、この錯倒的なカフェーの雰囲気は何かの連関をもっているものかと、わる気はないにしろ、ある距離をおいて眺める気持もなくはなかったのだろうか。
伸子はそこへはいって行ったときの無邪気さを失ってその女カフェーを出た。大きくすこやかに動いているモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)生活で忘れていたこだわりが、伸子によみがえった。ベルリンにこういう女カフェーがあるのを見せられて、伸子は、自分たちが主観的にどう生活を内容づけているかということとは別に、女と女との関係の頽廃の底をのぞき見た感じだった。そこからうけるいとわしさは、伸子がひととおり正常な性のいきさつを知っているだけに肉体的だった。そしてそれには、カール・リープクネヒト館の前の広場で、はじめてあの白ペンキの環をじっと見たとき、伸子の体をこわばらした感じと共通するところがある。
けれどもそういう心もちについて伸子は素子と何も話さなかった。こんな話題をつっつきまわすことで、二人の感情とその表現の上に保たれて来ているつり合いが狂うことが、伸子としてこわかった。