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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

けれどね、おそらくあなたは、こういう場合を余り経験していらっしゃらないんでしょう」

伸子はありのまま答えた。

「日本では一遍も講演したことがありません。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)でだって、これがはじめて」

「そうでしょう? あなたは、大へんたびたびキモノのそこのところを」

とニキーチナ夫人は、伸子の着物の上前をさした。

「ひっぱっていましたよ」

「あら。――そうだったかしら……」

「御免なさい、妙なことに目をとめて」

笑いながらニキーチナ夫人は鳶色ビロードの服につつまれた腕を伸子の肩にまわすようにした。

「そこについている刺繍があんまりきれいだからついわたしの目が行ったんです。そうすると、あなたの小さい手が、そこをひっぱっているんです」

ニキーチナ夫人は、伸子たちに、土曜会の仲間に入ることをすすめ、数日後には一緒に写真をとったりした。でも、土曜会とは、どういう人々の会なのだろう。伸子たちは、つい、行きそびれているのだった。秋山宇一は、おとといも行ったというからには、土曜会の定連なのだろう。

「この間は、珍しい人たちが来ていましたよ、シベリア生れの詩人のアレクセーフが。