Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
わたしに、あなたは、こういうところに坐っているよりも、むしろプロレタリア作家の団体にいる筈の人なのじゃないかなんて云っていましたよ」
こういう風に、秋山宇一は伸子に、いつも自分が経験して来た様々のことを、情熱をもって描いてきかせた。けれども、それは、きまって、自分だけがもう見て来てしまったこと、行って来てしまったところについてだった。そして、そのあとできまって秋山宇一は、
「是非あなたも行かれるといいですよ」
と云うのだったが、どういう場合にでもあらかじめ誘うということはしなかったし、この次は一緒に行きましょうとは云わなかった。また、こういう順序で、あなたもそれを見ていらっしゃいという具体的なことは告げないのだった。
ドーリヤに挨拶してその室を出ようとした伸子が、
「ああ、秋山さんたち、お正月、どうなさる?」
ドアの握りへ手をかけたまま立ちどまった。
「きょう大使館へ手紙をとりに行ったら、はり出しが出ていたことよ。元旦、四方拝を十一時に行うから在留邦人は出席するようにって――」
「――そうでしたか」
内海は黙ったまま、すっぱいような口もとをした。
「何だか妙ねえ――四方拝だなんて――やっぱりお辞儀するのかしら……」