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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「それなのに、なぜ、いきなり、殺されるところだったなんておっしゃるの?」

「…………」

「ね、なぜそんな風におっしゃるの」

渋いような涙が伸子の目の中に浮いた。

「つや子があんまりかあいそうだわ」

多計代も和一郎も、大騒動をして、そのことで感情放散をやっている。十三の少女のつや子に、どうして、そんな事のいきさつが噛みわけられよう。

「和一郎さんには、今後絶対そういう乱暴をさせちゃいけない」

「伸ちゃんからも、よくよく云ってきかせてやっておくれよ」

それよりも先に、多計代の態度だ、と伸子は思うのだった。和一郎のなかには少年のころから神経質でわがままな人間のもっている一種の残忍さがあった。すべてを小枝にあてつける多計代の刺すような言葉が、和一郎にどんなに猛烈な母への憎悪をたきつけるか。それは伸子にも佃のことで身におぼえがある。

「とにかく、お母様も和一郎さんたちの結婚は許していらっしゃるんだから、今更ここで小枝ちゃんのことをとやかく云ったって一つもいい事はないわ」

すると多計代は、伸子にとって思いがけないほど元気な辛辣な口調で、

「へえ。――そりゃあまた伸ちゃんらしくない妥協的なことをきくもんだね」