Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
更に時代が下ると、七百十九両さえ納めれば、一介の盲人が、一夜にして検校にもなれたというのですから、野心的な盲人たちが、金を作って検校の位を獲ようとしたのも無理はありません。検校になると、世の尊崇を集めるばかりでなく、官物官金の配当、名目金貸付の収益など、夥しい役得が付随したのでした。
「京都に上って、久我家へお願いする日を指折り数えて、父さんは一生懸命金を溜めました。――今に見ろ、蛸市とか何とか言いやがって、この俺を虫ケラのように思った長屋の奴らや、俺に足腰を揉ませて大きな面をした町内の旦那衆を見返してやるから、――というのが口癖で、好きなものも食わず、温かいものも着ず、千両になるのを楽しみに働いて働いて働き抜いたのです」
お浜は浅ましいことのように語り続けました。平次の無言の奨励がなかったら、こうまで親の恥を打ち明ける勇気もなかったでしょう。
「七百十九両で沢山なはずだが――」
「検校になるのは、七百十九両で済みますが、京都へ上る路用から、検校になった時、見苦しくない身装や住居も要ります。父さんはそんなこんなで、千両溜めたら京都へ上るつもりで、そればかり楽しみにしておりましたが、千両へあと十両という時、魔がさしたのでしょう」