Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
お浜の言葉も昂奮が去るにつれて、次第に淋しく滅入ります。
「それを盗られたのだね、どこへ隠しておいたんだ」
平次は話の無駄を刈り取るように、こう言葉を挟みました。
「太い竹筒へ入れて、父さんの寝る三畳の置床の隅に掛けておきました」
「不用心なことだな」
「竹筒は置床の柱のように見えました。誰もあんなものに千両近い小判が入っているとは思いも寄りません」
「なるほどそういったものかも知れない。で、無くなったのはいつだ」
「三日前の晩でございました」
「…………」
「明日は、貸した金が十両入るから、いよいよ千両の願いが叶った――と、父さんは珍しくお酒を呑んで、上機嫌で寝ましたが、その晩」
「待ってくれ、泥棒は確かにその晩入ったに相違あるまいな」
「寝る時まで、間違いもなく竹筒はあったんですから」
「それからどうした、順序を立てて話してくれ」
平次は静かに煙管を取上げました。
「酔った勢いで、竹筒の柱を撫でて、上機嫌で休みましたが、翌る朝になると、雨戸は開いて、置床の前の竹筒はなくなっていたのです」
「雨戸は締りがなかったのか」
「そんなものはございません。盲人の家へ入る泥棒もあるまいから――と、父さんは締りもろくにさせなかったのです」