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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

「お富、――若旦那はお店へ帰ったが、三百八十両の金が戻らなきゃ、親類方や古い奉公人の手前、増屋の跡取りに直るのがむつかしい事は、お前にも判るだろうな」

改めて彦兵衛は、娘に因果を含めるのでした。

「…………」

それはしかし、何の前提やら父親の気持を測り兼ねて、お富は美しい瞳を挙げました。

「増屋から追出されても、裏長屋に住んでも、二人一緒に暮せるから――とお前は思うだろうが、それじゃ世上の義理が済まねえ」

「…………」

「男の出世を妨げるのは、何といってもつれ添う女の恥だ。解るか、お富」

「え」

「それが解るなら、今晩ほんのしばらく、厭な客に付き合ってくれ――三百八十両の手土産を持って来る客だ」

「父さん、それは?」

「察しの通り巾着切りの東作という男だが、深いわけがあって、表沙汰にしたくないのだよ。判るか、お富」

子供のとき別れて、五年前母親の臨終の床で、久し振りに逢った父親ですが、それから五年の間の愛育は、世の常の五十年の恩にも超えて深いものでした。

世にこんな良い父親があるということは子として、何という誇らしいことでしょう。

お富はいつでも、半白の鬢から、後光が射すような心持で、父親彦兵衛を見て来たのです。