Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

「父さん、――私には何にも判らないけれど、父さんが良いと思うことならどんな事でもやってみましょう」

お富はそれほど父親を信頼しきっていたのでした。経師屋東作、描き菊石と綽名のある大悪党が、押掛け聟に来るとはもとより知る由もありません。

間もなく、東作が町駕籠で乗込んで来ました。

「爺さん、酉刻(六時)だ、早過ぎはしないだろうね」

さすがに極りが悪かったものか、少し面を冠って、笑み割れた頬が、とろけて落そうなのも不気味です。

「まア入んな、――お富、お富、俺の古馴染の東作さんだ。挨拶をするがいい」

狭い家、逃げも隠れもならぬお富は、行灯の蔭に小さくなりました。

「お富坊、相変らず美しいことだな。今晩から俺はここの人だよ、お前とは――」

「シッ、余計なことを言うな。若い者は吃驚するじゃないか」

彦兵衛は精一杯の目顔を働かせます。どうしても承知しなかった東作を説き落して、お富との祝言は、いずれ徳之助と縁が切れてから、改めて盃事をするとして、今晩はほんの見合だけ――という事で話をつけたのです。

「へッ、へッ、へッ、そう言ったものかいなアお富坊、こう見えても、俺は日本一の親切者さ。