Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
「だけど嬉しいねえ、親分とこうして居られるんだから、私はまるで夢のような心持よ」
少し馴れ馴れしい口をきいて、猪口を返す手に思わせぶりな力をこめたりしました。
「つまらない事を言っちゃいけない。ところで、お前にいろいろ聞きたいことがあるが、――言ってくれるだろうね」
と平次。
「親分には命を助けて貰った上、こんなに親切にして頂くんだから何もかも言ってしまいますわ、その代り私の願いも聞いて下さるでしょう?」
お楽はいつの間にやら長火鉢の向う側から、こちら側へ滑って、平次の身体にもたれるようにしているのでした。
「それはもう、大抵の事なら聞くが――」
「有難いわねえ、親分、一体、どんなことをお話すればいいの」
「外でもない、半歳前に江戸中を荒らした三人組の大泥棒、一人はお前の兄の香三郎で、これは伝馬町の大牢に入っている。もう一人は蝮の三平――これは死んだそうだが、――あと一人残った人殺しの房吉、これは頭分で、人の五六人も殺している。一人だけ縄目を脱れて、今でも人もなげに御府内を荒らし廻り、この平次をこけにして喜んでいる。俺はこの房吉を縛って、江戸中の人を安心させたいのだよ」