Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
検屍が済まないうちは、その葬いは出しちゃならねえ」
「どういうわけで、親分」
「ともかく、もう一度奥へ引込めて貰おうか」
「…………」
門口へ出た葬いを、もう一度奥へ引返させるのは、あまり縁起の良いことではありませんが、久太郎もそのうえ争う気力がなかったものか、素直に元の部屋に引返して、次の指図を待ちました。
それから半刻(一時間)、気まずい時が遅々として過ぎ行きます。平次が下っ引を走らせて呼んだ係り同心が二三人の手先と駆け付けたのは申刻(四時)少し過ぎ。
棺を開いて死骸に何の異状もなければ、女世帯の町人とは言っても、幾つかの大名屋敷の御用まで勤めている鳴子屋の暖簾に傷をつけて、銭形平次は引込みが付かなくなります。
息を呑んだ家族奉公人の顔を一とわたり眺めて、平次も何やら自信のグラ付くのを感じないわけには行きません。馴れた平次の眼に映ったところでは、この中に主人を手に掛けるような、大それた悪人が一人も交じっていそうには見えなかったのです。
棺の蓋は開かれました。中は型のごとく経帷子に、薄化粧をさせた女主人お釜の死骸。
「お」
平次も係り同心も驚きました。