Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

「えッ」

「手紙を投げ込んでから、万一の用意のなかった事を思い出し、この家へ帰って、身体を洗い浄め、髪まで直して三味線堀へ行った。その間ほんの四半刻(三十分)ほど。――遅れたというほどではなかったが、当の敵藤枝蔵人は、その時もう人に斬られて、橋の袂に紅に染んでこと切れていたのだ」

「…………」

あまりの事に、平次もガラッ八もしばらくは言葉もありません。

「名乗って出なかったのはそのためだ、平次、解ったか。――親の敵を討てなかったのは、いかにも残念至極だが、人の罪まで背負って名乗って出るわけに行かない。――それから今日まで、我身に恥じて外へも出ない有様だ、それで何もかも解るであろうな」

光川左門太の言葉には、何の駆引があろうとも思われません。明けっ放しな表情から、前後の事情、疑いを挟む余地などは少しもなかったのです。

「それで安心しました。実は光川様、あなたはすんでのことに、大変な罪を作るところでしたよ」

ホッとした平次の顔を、左門太はおよそ心得難く見やりました。

「何が安心なのだ、平次、俺は残念でたまらないが」

「何を隠しましょう、光川様、藤枝蔵人様が、三河屋で話した事は、ありゃみんな一時の座興で」