Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
町内の駕籠清から別仕立の駕籠が五挺、花嫁と、仲人夫婦と嫁の付添いと、親類の重立った者が乗って、あとは定紋の付いた提灯を挟んで、思い思いに歩くところですが、時節柄物騒というので、駕籠だけを飛ばせ、仕出しはゆるゆる後から練って行こうという寸法、韋駄天のような粒選りの若い者に担がせた五挺の駕籠は、江戸の街の宵霜を踏んで、ちょうど明神下から鼠屋横町へ抜けようとした時でした。
闇の中から不意に飛んで来たのは、一本の棒、これが花嫁の乗った真ん中の駕籠の、先棒の股の間へサッと入りました。
「あッ、何をしやがる」
と言った時は、もう見事につんのめって、弾みの付いた駕籠は、往来の真ん中へドタリと落されました。
「それ出た」
それくらいのことは心得た後棒の若い者、息杖を取って花嫁の駕籠の前に立塞がりましたが、相手はその出鼻を挫くように、横合から飛出して、胸のあたりをドンと突きました。
なにぶん宵闇の中に起った不意の出来事で、それに、曲者は恐ろしい手練、後棒の若い衆は思わず跳ね飛ばされて尻餅をつくと、その間に飛付いた、第二、第三の男、物をも言わずに花嫁の駕籠を引っ渫って、引摺るように、横手の狭い路地の口へ――。